ロバート・ブラウニング (Robert Browning, 1812-89)


1812 年5月、ロンドン近郊の都市キャンバーウェル (Camberwell) に生まれる。詩人かつ妻のエリザベス・バレット・ブラウニング (Elizabeth Barrett Browning, 1806-61) にファンレターを送ったのをきっかけに、父親の反対を押し切ってイタリアに愛の逃避行をしたドラマチックな半生だが、その間は、詩人とし ての名声はさほど高いものではなかった。1861年の妻の死後、イングランドに帰国して再び精力的な執筆活動を行い、The Ring and the Book (1868-9) の大成功を機に、ヴィクトリア朝を代表する詩人となってゆく。物事の核心を複数人物の視点から語る「劇的独白」は、ある出来事の中で見ら れる人間の複雑な内面の動きを追求することができる画期的な手法である。ブラウニングはその技法の達人として文学史に名を残すが、バラッド形式の持つ簡潔 かつ劇的な効果も、それとの関係から見直されるべきではないか。 (Y. Y.)

原詩(英詩) 訳詩
1. The Flight of Duchess  
2. Hervé Riel  
3. “How They Brought the Good News from Ghent to Aix”  
4. Incident of the French Camp  
5. Meeting at Night (& Parting at Morning) 5. 夜更けの逢瀬 夜明けの別れ 
6. The Pied Piper of Hamelin  
7. Porphyria’s Lover 7. ポーフィリアの恋人