ジョナサン・スウィフト (Jonathan Swift, 1667-1745)



1667年、アイルランド、ダブリンに生まれる。聖パトリック大聖堂の首席司祭 (1713-45)、文人、風刺作家、詩人。数多くの作品を生み出した作家で、英語圏の中でも群を抜く風刺作品を書いている。『桶物語』(A Tale of a Tub, 1704) や『ガリバー旅行記』 (Gulliver's Travels, 1726) などの作家としてその名を知られているが、ほとんどの散文は偽名あるいは匿名で出版された。詩人としては、皮肉たっぷりに描いた 'Verses on the Death of Dr. Swift, D.S.P.D.' や、アイルランド議会を風刺した 'The Legion Club' など多数の詩を残している。

1689 年にイングランドへ渡り、91年にムア・パークにて、外交官を引退したウィリアム・テンプル卿 (Sir William Temple) の個人秘書となり、そこでまだ若いエスター・ジョンソン (Esther Johnson)[「ステラ」('Stella')]と出会う。彼女はスウィフトにとって生涯にわたる親しい友となり、彼に従ってアイルランドへ渡りダブ リンに暮らした。彼はもともとホイッグ党の支持者であったが、1710年にはトーリー党側へと転向し、その党のために執筆を行なった。1713年には Alexander Pope, John Arbuthnot, John Gay, William Congreve らとスクリブレルス・クラブ (the Scriblerus Club) の創設メンバーとなる。

1714年、聖パトリック大聖堂の首席司祭としてダブリンに戻り、生涯をそこで過ごす。死後は、自らの希望によって、聖パトリック大聖堂内のステラの傍らに葬られ、その財産は精神病院の創設資金に充てられた。 (N. M.)

原詩(英詩) 訳詩
1. A Ballad, on the Game of Traffick 1. トランプの駆け引き(トラフィック)
2. A Ballad, to the Tune of, the Cut-purse 2. 盗人(すり)の曲にあわせたバラッド
3. An Excellent New Ballad or, The True English Dean to Be Hanged for a Rape 3. 新・秀作バラッド―強姦(レイプ)罪で絞首刑になるべき正真正銘のイングランド司祭―