セバスチャン・エヴァンズ (Sebastian Evans, 1830-1909)



作家、ジャーナリスト、芸術家、弁護士として、セバスチャン・エヴァンズは面白い経歴を持った人物である。1857年から66年まで、エヴァンズはバーミ ンガムにあるチャンス会社所有のガラス工場の芸術部門の管理職を務め、多くの窓をデザインした。1867年にはバーミンガムの『デイリー・ガゼット』(Daily Gazette) の編集者となる。3年後には法律を学ぶためにこの職を辞したが、1886年、当時の編集者が死亡し、再び『デイリー・ガゼット』編集の職についた。エヴァ ンズはまた多くのポートレートも残している。彼が関わったさまざまな仕事の中で最も注目されるのは、中世研究家としてのそれである。英国のヴィクトリア時 代にはアーサー王伝説のリバイバルが文学文化現象となっており、テニスン (Alfred Tennyson)、モリス (William Morris)、アーノルド (Matthew Arnold)、スウィンバーン (A. C. Swinburne) がアーサー王を復活させる作品を書いた。エヴァンズは13世紀初頭に古フランス語で書かれた「パーシバル、あるいは聖杯の騎 士」(‘Perceval, or the Knight of the Grail’) を『聖杯の気高い歴史』(The High History of the Holy Grail) として1898年に翻訳出版した。他の作品に『フェビアン協会の写本』(Brother Fabian Manuscript and Other Poems, 1865) や『スタジオで:詩の時代』(In the Studio: A Decade of Poems, 1875) などがある。弟は著名な古美術研究家のサー・ジョン・エヴァンズ (Sir John Evans)、妹は詩人のアン・エバンズ (Ann Evans)。 (H. N.)

原詩(英詩)  
1. The Seven Fiddlers