サミュエル・ファーガソン (Samuel Ferguson, 1810-86)


詩人・作家・ケルト語学者。ベルファースト (Belfast) に生まれ、アントリム (Co. Antrim) に育つ。Belfast Academical Institutionでアイルランド語を、ロンドンのLincoln’s Innで法律を学び、1834年にトニティ・カレッジ (TCD) に入学。1832年、職人の労働と技能を称える詩 ‘The Forging of the Anchor’ が Blackwood’s Edinburgh Magazine に掲載される。

1834年、James Hardiman 編纂のゲール語翻訳詩集 Irish Minstrelsy (1831) について、誤ったナショナリズムを呈していると批判する記事を Dublin University Magazine に4回に分けて投稿。そこではオリジナルの詩がもつ ‘savage sincerity’ を散文で解説し、また自ら翻訳し、彼の考えるアイルランド詩のもつ特徴を示している。これらゲール語の詩の研究は1834年に Blackwood’s Edinburgh Magazine に掲載されたファーガソンの詩で、取替え子の伝統を基にした ‘The Fairy Thorn’ に反映されている。

Royal Irish Academy の校長として、熱心にアイルランドの初期芸術・文化の研究を奨励した。詩集に Lays of the Western Gael (1865), Congal (1872), Poems (1880), The Forging of the Anchor (1883) がある。 (N. M.)

原詩(英詩) 訳詩
1. The Fairy Thorn 1. 妖精の山査子(さんざし)
2. The Forester’s Complaint  
3. The Forging of the Anchor 3. 錨鎖(いかり)鍛冶 
4. Willy Gilliland