18世紀のイギリス でバラッド詩という新しいタイプの詩が生まれ、以来、今日まで独特のバ ラッド模倣詩が生み出されて来ました。当ホームページ「英国バラッド詩アーカイブ」は、バラッド詩研究の基盤を整備するために、製作者が知りうる限りでの バラッド詩を網羅的に蒐集したものであります。

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マシュー・グレゴリー・ルイス (Matthew Gregory Lewis, 1775-1818)



1775年7月9日にロンドンで生まれた詩人、小説家。ウェストミンスター校とオックスフォード大学クライストチャーチで教育を受けた。休暇中にはフラン スやドイツを訪れて語学を習得し、特にドイツではゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe) やヴィーラント (Christoph Martin Wieland) らと出会い、ドイツの “horror-romanticism” を英文学に本格的に持ち込んだ。1796年にルイスはドイツ文学の影響が 強く見られるゴシック小説 The Monk を出版。近親相姦や親殺しなどが描かれたこの作品は彼の代表作となり、後に ‘Monk’ Lewis と称されることとなった。   

1801年には詩集 Tales of Wonder を Tales of Terror と 2巻組みで出版した。この詩集にはゲーテの “Fisher” の翻訳などドイツ語から翻訳したもの、ルーン文字で書かれたバラッドの翻訳やイギリスの古いバラッド、スコット (Sir Walter Scott) やサウジー (Robert Southey)、レイデン (John Leyden) の作品も収められている。ゴシック・ホラー・バラッドは大流行となり、ロマン派詩人コールリッジ (S. T. Coleridge)、バイロン (George Gordon Byron) やシェリー (P. B. Shelley) に多大な影響を与えた。

ゴシック小説 The Monk に挿入され、Tales of Wonder に も収められた “Alonzo the Brave and Fair Imogine” では肉体を持った亡霊の出現など伝承バラッドになじみの手法を使いながらも、生前と同じ姿で現れる伝承バラッドの亡霊とは違い、朽ち果てた肉体となっての 出現という独創的な描き方をしている。 (M. I.)

原詩(英詩) 訳詩
1. Alonzo the Brave and Fair Imogine 1. 勇者アロンゾーと麗(うるわ)しのイモジン
2. Bill Jones, a Tale of Wonder
3. The Bleeding Nun  
4. Bothwell’s Bonny Jane  
5. The Cloud-King  
6. Couteous King Jamie  
7. Crazy Jane  
8. Durandarte and Belerma  
9. Elver’s Hoh  
10. The Erl King’s Daughter  
11. The Fire King  
12. The Fisherman  
13. The Gay Gold Ring  
14. Giles Jollup the Grave, and Brown Sally Green  
15. The Gipsy’s Song  
16. The Grim White Woman  
17. King Hacho’s Death Song  
18. Osric the Lion  
19. The Princess and the Slave  
20. The Sailor’s Tale  
21. Sir Agilthorn  
22. Sir Guy, the Seeker  
23. Sir Hengist  
24. The Soldier’s Grave  
25. The Sword of Angantyr  
26. The Water-King  
Suppl-1. The Black Canon of Elmham; or, Saint Edmond’s Eve