18世紀のイギリス でバラッド詩という新しいタイプの詩が生まれ、以来、今日まで独特のバ ラッド模倣詩が生み出されて来ました。当ホームページ「英国バラッド詩アーカイブ」は、バラッド詩研究の基盤を整備するために、製作者が知りうる限りでの バラッド詩を網羅的に蒐集したものであります。

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ジョン・ローガン (John Logan, 1748-88)


 

スコットランドの詩人、長老派教会牧師。南東部の旧ミドロージアン (Midlothian) 州に生まれる。情熱的な説教で人気を博していたが、彼の書いた悲劇 Runnamede が1783年にエディンバラで上演されたことから信者の不興を買い、父親ゆずりの大酒癖のせいもあって、86年に聖職を去り、ロンドンに出て文筆活動に専念した。

1770年にマイケル・ブルース (Michael Bruce, 1746-67) の詩集 Poems on Several Occasions を編集し、これには有名な "Ode to the Cuckoo" も収録されていたが、1781年に自らの詩集 Poems を出版した際にこの "Ode" を自分の作品として含めたために、ブルースの友人たちが疑義を唱えるという物議を醸した。

ウィ リアム・ハミルトン (William Hamilton) のバラッド詩 "The Braes of Yarrow" が伝承バラッド "The Braes o Yarrow" (Child 214) を元歌としているのに対して、紛れもなくローガン自身の作品である美しいバラッド詩 "The Braes of Yarrow" (1781) は伝承バラッド "Rare Willie Drowned in Yarrow, or, the Water o Gamrie" (Child 215) を元歌としている。結婚に反対する母親の呪いによって増水した川に息子が溺れ死ぬという元歌のモチーフはローガンにあってはまったく姿を消し、恋 人を失った語り手の悲しみだけがクローズアップされている。詩人のねらいは、全48行中44行を占めるモノローグを通して語り手の悲しみを伝えることに あった。事件を語る伝承バラッドの迫力が消え、バラッド詩が心理的・主観的になっていった点でハミルトンと共通する。  (M. Y.)

原詩(英詩)
1. The Braes of Yarrow