ジョン・メイスフィールド (John Masefield, 1878-1967)


 

イングランドの詩人。1878年6月1日、ヘレフォードシア (Herefordshire) のレドベリー (Ledbury) に生まれる。6才で母親を亡くし、1891年には父親が精神を病んで入院、翌年亡くなり、叔母に預けられた。船乗りの訓練のために13 才で実習船に乗り込むが、この実習船上でメイスフィールドの物語好きは育まれた。94年16才でチリ行きの帆船に乗務し、この初めての航海でひどい船酔い を経験する。翌年、ニューヨーク行きの船に乗務するが、作家願望は抑え難く、ニューヨークで下船。その後しばらくはアメリカで放浪者のような生活を送っ た。97年イギリスに戻り、イエイツ (W. B. Yeats, 1865-1939) と出会い、ふたりは生涯の友となった。

1902年に出版されたメイスフィールドの最初の詩集 Salt-Water Ballads には、彼自身の海での豊かな経験がちりばめられている。メイスフィールドの詩について、Harry Blamires は「Salt-Water Ballads と1910年出版の詩集 Ballads and Poems 中の作品は、リズムも文体も生き生きとし、野外を行くような様々な変化に満ちている作品もあれば、しみじみとした、あるいは荒海を渡る船乗りの調子で、塩辛い海と、もっと塩辛い水夫たちの美徳を讃える作品もある」[Twentieth Century English Literature, 2nd ed. (1982) 13-14] と評している。

1930年、ブリッジズ (Robert Bridges, 1844-1930) の後を継いで桂冠詩人となる。 (H. N.)

原詩(英詩) 訳詩
1. The Ballad of Sir Bors 1. ボールス卿のバラッド
2. Cap on Head: A Tale of the O’Neil
3. Cape Horn Gospel I  3. ホーン岬の霊歌 その1
4. Cape Horn Gospel II 4. ホーン岬の霊歌 その2
5. Cargoes 5. 船  荷
6. Mother Carey 6. マザー・ケアリー
7. One of the Bo'sun's Yarns 7. 甲板長(ボースン)の愉快な体験談
8. "Port of Many Ships"
9. Sea-Fever 9. 海洋熱 
10. The Yarn of the Loch Achray