リチャード・ガーネット (Richard Garnett, 1835-1906)



イングランドの司書、著述家。文献学者、リッチフィールド大聖堂下級参事会員、大英博物館図書館書籍管理長だった父リチャード・ガーネットの息子として、 1835年2月27日、リッチフィールド(Lichfield)に生まれる。教育は家庭と私立学校で受ける。1851年、父親が死亡した直後に、息子リ チャード・ガーネットは大英博物館図書館の補助職員となった。75年には閲覧室長となり、84年には書籍カタログ編集長となり、90年から99年の退職ま では、父と同様に、大英博物館図書館書籍管理長となった。1883年にはエディンバラ大学から法学博士の学位を授与されている。ガーネットの博識は大英博 物館で伝説となっていたが、彼は無味乾燥の学者というタイプではなかった。書物への人間的な興味のために、ガーネットは理想の司書と言われている。自作や 翻訳の詩集を数巻と、カーライル (Thomas Carlyle)、エマソン (Ralph Waldo Emerson)、ミルトン (John Milton) などの伝記を数巻出版した他、多くの文学作品を編纂している。編纂のひとつである『シェリーの遺稿』(Relics of Shelley, 1862) は、それまで未発表のシェリー (P. B. Shelley) の作品を編纂したものである。趣味のひとつは星占術の研究だった。1880年には A・G・トレント (A. G. Trent) というペンネームで、「魂と星」に関する論文を発表した。1906年4月13日死去。 (H. N.)

原詩(英詩)  訳詩
1. The Highwayman’s Ghost 1. 追剥の亡霊
2. The Mermaid of Padstow  
3. The stream was as smooth as glass; or, the Sandy Bar